ポルト戦を観戦

5日間のアカデミーでの練習を終了し、土曜日はコインブラから100kmほど離れたポルト市を訪れた。世界遺産である街並みをドウロ川の対岸から眺め、また旧市街を散策した。そして夕方からはドラゴンスタジアムでFCポルト対AVS戦を観戦した。

今季のFCポルトは今一つ調子がよくない。前節もブラガに敗れ、7試合を残し首位のスポルティングとは9ポイント、2位のベンフィカとも6ポイントの差があるため、優勝はもちろん、来季のチャンピオンズリーグ出場も難しくなっている。一方のAVSはポルト県ヴィラ・デ・アヴェスに2023年5月に創設されたクラブ。2部リーグでスタート。3位に入りプレーオフを勝ち抜き、わずか1年で一部リーグに昇格したチーム。

実力の差は明らかで試合開始早々からポルトが押し気味に試合を進める。そして前半18分、ジョアン・マリオの放ったシュートをGKオチョアが弾いたところ、詰めてきていた17歳のロドリゴ・モラが決めた。ロドリゴ・モラは背番号86をつけていることからも分かる通り、元々Bチームとしての登録だが、しかし今季すでにこの試合で15試合目の出場。この日の得点で4ゴール目を記録している。FCポルトの下部からの生え抜きの選手であるだけに、彼が得点するとスタンドからは大きな歓声が上がった。

きっと彼もいつか、ベンフィカで育ったジョアン・フェリックス(ベンフィカ→アトレティコ→バルサ→チェルシー→ミラン)のように海外で活躍する選手となるのだろう。またもう一人注目したのはフォワードのサム・アゲオワ。スペインへ移民してきたナイジェリア人の両親を持ち、スペインアンダルシア州で生まれた。グラナダの下部で育ち、2023年に19歳でグラナダCFでトップチームデビュー。アトレティコ・デ・マドリードへ移籍するとアラベスへレンタル。23-24年シーズンは34試合に出場し8得点を決めている。2024年に行われたパリ五輪のメンバーにも選ばれ、退会直後にFCポルトヘ加わった。現在まだ20歳でありながら、FCポルトの9番を背負っている。彼もまた今後が楽しみな選手だ。

ポルト戦の後、再びコインブラに戻り、ショッピングモールのフードコートに出かけると、テレビでスポルティング戦をやっていた。スポルティング戦もぜひ見に行きたかったが、ポルト戦と同じ日になってしまったため諦めた。しかし試合開始時間が遅かったため、残り時間わずかではあったが、見ることができた。テレビの前にはおじいさんが4人陣取り、試合を見ながらあーだこーだと言い合っている。こういった光景は日本では決して見ないものであり、サッカー文化の違いをやはりこういったところに感じてしまうのだ。

この記事を書いた人

竹澤 哲