クリスティアーノ・ロナウドアカデミーへの道

第4日目の練習は本人たちだけに任せて、私はリスボン郊外にある『クリスティアーノ・ロナウドアカデミー』を訪ねた。現在はクリスティアーノ・ロナウドの名前がつけられているが、いわゆるスポルティングCPが最初に作ったアカデミーであり、トップチームの練習もここで行われている。

育成部門の責任者であるペドロ・モルガド氏に話を聞いた。私が聞きたかったのは、かつてメールで「日本からの留学生を受け入れてくれるのか?」と尋ねた時、「このアカデミーにおいてはそのようなことはやっていない」と返信が来た。それでは短期でなく、テストを受けて認められれば1年間といった長期の留学は認められるのかということだ。

モルガド氏は「ある程度のレベルの選手でなければ、本人にとっても続けていくのは苦しいし、本人のためにもならない。かつてはテストをやっていた時期もあったが現在はやっていない。全国にいるスカウトが推薦してきたものだけを入れるようにしている」とのことだった。現在2人が練習を行なっているコインブラのアカデミーも、スポルティングが全国に張り巡らしているスカウト網の一環であり、発掘された優秀な選手はクリスティアーノ・ロナウドアカデミーに送り込まれるシステムとなっている。そしてクリスティアーノアカデミーで練習をする選手は、プロとして契約を結んだ選手ということになる。

日本人選手がポルトガルのアカデミー、あるいはチームでやっていく上で、やはりどうしても言葉の壁をある程度乗り越えないと厳しいことも事実だ。そう言った意味で、現在2人が参加したコインブラのアカデミーは、言葉を習得しながら、練習を続けていくのには理想的な場所と言えるだろう。週末には試合が組まれているので、そこで活躍すればスポルティングのみならず、他のスカウトの目にも止まるかもしれない。そしてプロチームと契約という形に進むのだろう。

この記事を書いた人

竹澤 哲