8日夜、ベンフィカの試合を観に行った。エスタディオ・デ・ルスは約6万5千人を収容するベンフィカのホームスタジアム。2004年にポルトガルで開催された欧州選手権のために全面改装され、その大会では決勝戦が行われている。決勝戦でギリシャに0対1で敗れ、当時19歳のクリスティアーノ・ロナウドが大泣きしたところだ。
ベンフィカ対ナシオナル戦。時折雨が降る悪天候でありながら、この日も52543人の観客がスタジアムに足を運んだ。1年前静岡県高校選抜で訪れた時、30人分のチケットを得るためにはベンフィカの練習プログラムに参加しなければ席を取れなかった。しかも取れてもゴール裏のかなり上部の席であったが、今回のような少人数だと、悪天候で観戦に来なかったソシオの席が比較的安価でリセールされるため、とてもよい席に座ることができた。
ベンフィカはポルトガルで最も人気のあるクラブ。ポルトガル国民の半分がベンフィキスタ(ベンフィカファン)だと言われている。リスボン以外に住むポルトガル人は基本的に地元クラブも応援するが、それ以外にもベンフィカ、スポルティング、FCポルト、いわゆるポルトガル3大クラブのいずれかのファンである。なぜならポルトガルリーグのタイトルはこれまで3大クラブで独占されてきたからだ。
相手がナシオナルというマデイラ島のクラブであることもあるが、スタジアムは100パーセント、ベンフィカファンで埋め尽くされた。こうなるとレフリーはどうしてもベンフィカ寄りのジャッジングになるのも仕方がないのか、開始早々に得点したベンフィカに、さらにPKが与えられ追加点を決めた。VARが活用されるのは良いことだと思うが、この試合では3回VAR判定が行われ、その結果3回のPKが与えられた。ベンフィカへ2回、ナシオナルへ1回。それにしても1試合にPK3回は多すぎではないだろうか?ベンフィカはこれにより2得点、ナシオナルは1度は得点差を詰めるチャンスを与えられたが、会場を埋め尽くすファンからブーイングがされたせいか、PKを失敗している。
この試合を観ていて思い出したのが、2002年日韓ワールドカップ。当時ポルトガル代表はフィーゴやルイ・コスタといういわゆる黄金世代が熟成期を迎え大きな期待を受けていたにもかかわらず、グループリーグ韓国戦で退場者を2人も出して敗れ、グループリーグ敗退している。その原因は、ポルトガル代表を構成する3大クラブの選手たちが、国内リーグでレフリーに甘やかされてきたからだとも言われた。そういったことをベンフィカ戦を見ているとどうしても頭をよぎってしまう。
クリスティアーノ・ロナウドはナシオナルでプレーしている時,地元のスカウトの目に留まり、12歳の時にリスボンへ行き、スポルティングの試験を受けている。そして18歳の時にマンチェスター・ユナイテッドへ移籍し、その後はご存知のとおりだ。彼が仮に試験を受けるためにリスボンに行かなくても、おそらく遅かれ早かれ三大クラブの目に留まり、いずれかに移っていたことだろう。ナシオナルの若い選手たちはそういった意識もあるのか、高いモチベーションでプレーしていたようだ。
ハーフタイムにはポルトガル全国から集まったベンフィカのファンクラブ代表がピッチを一周し、ベンフィカがポルトガルで最も人気のあるクラブであることを改めて印象づけられた。ポルトガルサッカーを知る意味でもベンフィカ戦観戦は欠かせないものであることを強く感じた。

